さつまいもと蜜芋の違いは?蜜たっぷりのさつまいもの見分け方も紹介
さつまいもの品種によって、味わいや食感に特徴がありますが、中でも「蜜芋」と呼ばれる甘いさつまいもを知っていますか?蜜芋は普通のさつまいもに比べると糖度が高く、クリーミーでねっとりとした食感が特徴です。この記事では、さつまいもと蜜芋の違いや、おすすめの品種をご紹介します。気になる方は、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
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蜜芋とは?普通のさつまいもとの違いを解説
蜜芋とは、焼いた時に蜜が入っているかのような甘味や食感のあるさつまいもです。しっとりとした舌触りや濃厚な甘さが、焼き芋にもお菓子作りにもよく合い、スイーツのような扱いで人気を博しています.
蜜芋と普通のさつまいもの最も大きな違いは、その糖度と甘さのレベル、そして食感です。生の蜜芋の糖度は15度前後とされており、加熱することによって40度以上まで上がり、コクのある甘みが引き出されます。また、蜜芋は粘性があり水分を豊富に含んでいるため、加熱することでねっとりとした柔らかい食感を楽しめます。それに対して普通のものは水分量が少なめで、ホクホクとした食感のものが多いようです。
蜜芋の「蜜」の正体
蜜芋や甘い品種のさつまいもを焼いたときに、たっぷりとにじみ出てくる蜜の正体は、水飴の主成分とおなじものです。さつまいもに含まれるデンプンが、酵素の働きにより麦芽糖に変わることで、あの甘い蜜が生成されます。70℃前後の環境下においてもっとも酵素の働きが活発になるため、低温でじっくりと加熱すると、たっぷりと蜜が出て甘く仕上がります。
おいしいさつまいもの見分け方
ここでは、おいしいさつまいもの見分け方をご紹介します。お店で購入する際には、ぜひ参考にしてみてくださいね。
重みがある
さつまいもを持ったときに、見た目よりもずっしりと重いものは、栄養がたっぷりと詰まっている証拠です。形が細長いさつまいもは、繊維が多い可能性があるため、舌触りのなめらかなさつまいもを食べたい場合には、適度な太さがあるものを選んでください。
色艶がいい
皮の色が濃い赤色をしていてツヤがあると、栄養が十分に行き渡っている、おいしいさつまいもの可能性が高いです。表側がきれいな紫色をしていても、裏返すと色が薄くなっていたり皮の色が悪い場合があるため、全体をよく見ることがポイントです。また、表面に黒斑が見られるものは低温障害を受けて傷んでいる可能性があるため、やめておきましょう。
【蜜芋】おすすめの品種3選
ここからは、おすすめの蜜芋の種類をご紹介します。
安納芋
さつまいもの王様とも呼ばれている「安納芋」は、焼いたときのしっとりとした柔らかい食感とやさしい甘みが特徴で、昔から甘いもの好きの人たちに愛されている歴史のある品種です。元々は種子島の風土を活かした特産品で、平成25年までは種子島でしか栽培されていませんでしたが、それ以降は全国での栽培・収穫が解禁されています。
安納芋は9月から12月にかけて収穫されるため、市場に多く出回るのは、10月の半ばから1月頃が一般的です。
紅はるか
「紅はるか」は他の芋よりも”はるかに”美味しい、という意味合いで名付けられただけあり、その優れた味わいと芳醇な香りから、大人気の品種です。蜜芋の中でも、最も糖度が高くて甘いとされていて、近年の焼き芋ブームの火付け役ともなった品種だともいわれています。焼き芋にしてこんがりと焼くと蜜の香りが香ばしく、食欲をそそります。
紅はるかは10月ごろに九州などの暖かい地方で収穫され、1ヵ月ほど熟成された11月頃に旬を迎えて、市場へ出回ります。
シルクスイート
蜜芋の中でも、ねっとりとした食感で有名なのが、2012年に発表された「シルクスイート」です。安納芋や紅はるかに比べると甘さは控えめですが、ひと口食べると、口の中でほどけるような滑らかな食感にやみつきになる人が続出し、人気を博しています。しかしまだまだ生産量は低く、シルクスイートの流通量は他の品種の10分の1程度ともいわれています。
シルクスイートは9月下旬から10月頃にかけて収穫されるため、熟成期間を経て市場に出回るのは、11月から2月頃です。
まとめ
いかがでしたか。さつまいもと蜜芋の違いやおすすめの品種、おいしいさつまいもの見分け方のポイントをご紹介しました。蜜芋はさつまいもの中でも、特に水分量が多く糖度の高い品種を指します。ねっとりとした食感と奥深い甘さが魅力ですが、加熱の仕方によって糖度が変化します。品種によってもその味わいは異なるので、ぜひ味わってみてくださいね。